作業の簡素化により約50%の省人化を実現
清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、天井改修工事の生産性向上を目的に、構造用接着シートを用いた天井下地接着工法を開発、当社技術研究所本館(東京都江東区)の天井改修工事に初適用しました。
本工法は、既存鉄骨梁の下フランジの上面に取り付けた金物を介して天井下地を建物躯体に固定する天井改修工法で、最大の特徴は、鉄骨梁と金物の接合にセメダイン(株)が開発したスポンジ状の接着シートを利用することです。本工法を適用することで、天井下地の設置工程の簡素化が図れ、作業に必要な人工数を従来工法の半分に抑制できます。また、作業時に粉じんや騒音が発生せず、火気も不要なため、作業員の労働環境の改善にも寄与します。
天井改修工事では、天井下地と建物躯体の接合方法として溶接接合やボルト接合が主に利用されています。ただ、溶接接合には相応の経験とスキルが求められ、火災のリスクも伴います。また、ボルト接合ではボルトを躯体に挿入するための穿孔作業が必要となり、騒音や粉塵の発生が避けられません。そこで当社は、こうした課題を解決する簡便かつ安全な天井改修工法として、構造用接着シートを用いた天井下地接着工法を開発しました。
本工法に利用する接着シートは、2種類の液剤とスポンジ状の樹脂シートをパッケージ化した構造用接着剤です。使用時には、パッケージ上から圧力を加えて液剤を樹脂シートに含浸させた後、パッケージからシートを取り出し、所定の接合場所に配置します。続いて、天井下地固定用金物をシート上に設置し、接着剤が硬化するのを待つだけで、下地材の設置作業の準備が整います。なお、接着剤が実用強度を発現するまでの時間は約6時間で、シートの配置後、1時間程度まで位置調整が可能です。
本工法には、経験の少ない作業員でも簡単に作業ができる施工性の高さに加え、部材表面の不陸を接着シートのスポンジが吸収するため、部材の状況を問わず接着強度を確保できるメリットもあります。今後、天井改修工事への適用を進めるとともに、他工種においても構造用接着シートの活用を模索し、建設現場の生産性向上につなげていく考えです。
≪参 考≫
■「セメダイン株式会社」概要
■天井下地接着工法の概要
■構造用接着シートATLAS
■施工手順
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参照元:PRESS CUBE