《 2017NEW環境展(N-EXPO 2017) 》
資源と素材の生産性の革新に継続して取り組んでいる、銅を中心とするグローバル資源・素材カンパニー
JX金属は、アジア有数の総合エネルギー・資源・素材企業グループである「JXTGグループ」の中核を担う非鉄金属企業。非鉄資源と素材を安定的に供給することが社会的使命であるとの認識のもと、鉱物の探査・採掘・製錬から金属加工・電子材料製品までの生産・販売・開発など事業活動のあらゆる面において、技術的合理性、効率性、品質・特性の向上などを追求する一方、ゼロエミッションを目指したリサイクルを促進することにより、資源と素材の生産性の革新に継続して取り組んでいます。
JX金属環境株式会社のWEBサイトでは、廃アスベスト無害化処理事業などの動画を紹介しています。
http://jx-kinzokukankyo.co.jp/company/video.html
展示の見どころ
「低濃度PCB廃棄物無害化処理」「廃アスベスト無害化処理」
今回の展示会では、廃アスベスト溶融無害化処理技術、および低濃度PCB汚染物無害化処理技術を紹介しています。
JX金属環境株式会社
アスベストを溶融無害化処理100%「廃アスベスト無害化処理事業」
廃アスベスト処理の現状
溶融処理と埋め立て処理
現在、飛散性アスベストの約8~9割が埋め立て処理をされています。しかし、針状の結晶を有したまま埋められるため、地震発生時等の飛散が懸念されています。また、埋め立て場所を永久に管理する必要もありますが、埋め立ても約5年程で埋立地に苦慮する状態です。
一方、溶融処理を行うと、飛散性アスベストを完全無害化することが可能。溶融処理される飛散性アスベストは現在全体の約1~2割に留まっていますが、環境意識の高まりとともに、徐々に割合が増加しています。溶融処理が進めば、最終処分場の使用期間も伸びるなど、環境負荷の軽減にもつながります。
大幅な増加が予想される処理量
アスベストを使用した建材の寿命は約30~40年とされ、廃棄物として排出される量は、2020年ごろをピークに年間120~160万トンに上ると予想されています。
また東京都が2011年に施行した条例により、震災時の緊急輸送道路沿道建築物の耐震工事や立て直しが促進されること、2020年の東京オリンピックに向けて解体工事が増加することなどから、廃アスベスト発生数量の増加が予想されています。安定かつ適正な処理能力の確保が、今まで以上に重要になっています。
JX金属グループの環境リサイクルネットワーク
JX金属グループは、北は北海道から南は九州まで、全国各ブロックに拠点を置き、その高度な技術に裏付けられた高い信頼性をもって、安全・適正な産業廃棄物の処理、有価物の回収を一貫して行っています。
JX金属環境の高温溶融処理による完全無害化処理
JX金属環境株式会社(以下、JX金属環境)は、1994年に高温溶融による飛散性アスベストの処理事業を開始しました。その20年にわたる処理実績および技術の蓄積は、お客様や地域社会から広く評価されています。また溶融処理により発生するスラグ(※)も、100%リサイクルが可能。高温溶融処理は、こうしたゼロエミッションを可能にする唯一のプロセスです。
JX金属環境株式会社では、廃アスベスト無害化処理事業として、埋め立ての必要のない廃アスベスト100%のリサイクルを行っています。
※リサイクル原料から金・銀・銅などの有価物を取り出した後のガラス質。主成分は酸化鉄・シリカ・アルミナなど。
処理フロー
JX金属環境では、スラッジ(汚泥)、焼却灰、ガラス屑などを1300~1500℃の高温で加熱溶融し、銅や金・銀などの有価物を硫化物(マット)の状態で回収すると同時に、残分を無害なスラグとして回収し、リサイクルしています。高温での燃焼を可能にするために、燃焼空気の酸素濃度を高める独自の技術を導入しています。
廃アスベストは、溶融スラグにアスベストを1500℃以上の高温で融解させ、均一化することで無害化処理を実現。この溶融・無害化処理にあたっては、アスベストが漏えいすることがないように、専用の二重袋入りの廃アスベストを、密閉状態のまま炉の天井部から直接炉内の溶融スラグに投入しています。
この処理フローにより廃アスベストは、100%リサイクルされ、無害化処理されスラグとして、ケーソン(港湾工事用等に用いられる箱状の構造物)の充填材やセメント材料などに再利用されます。
完全無害化処理による効果
■ 廃棄が不要になる
■ 廃アスベストの再利用が可能
JX金属環境株式会社作成
飛散性アスベストの年度別処理数量統計
環境省HP【飛散性アスベストの廃棄物〈廃石綿等)の処理状況】より平成20年(2008年)~27年(2015年)の飛散性アスベストの年度別処理数量統計をJX金属環境株式会社がまとめた統計です。
溶融処理の会社別実績からJX金属環境株式会社が環境省地域別発表値より推算したデータで、2013年54%、2014年42%、2015年51%の実績があります。JX金属環境株式会社が、全国の飛散性アスベストの年度別処理数から飛散性アスベストの廃棄物〈廃石綿等)の処理の全国1位の実績から実力が証明されています。
JX金属苫小牧ケミカル株式会社
「低濃度PCB廃棄物無害化処理事業」
北海道内初 低濃度PCB廃棄物無害化処理の環境大臣認定を取得
2014年3月、北海道苫小牧市にあるJX金属苫小牧ケミカル株式会社(以下、苫小牧ケミカル)は、低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業を遂行するための環境大臣認定を取得しました。これは低濃度PCB廃棄物の処理業者として、北海道内初の認定となります。
PCBとは
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、電気絶縁性が優れていることから、主としてトランス(変圧器)、コンデンサ(蓄電器)等の電気機 器用の絶縁油、各種工業における熱媒体、感圧複写紙等に使用されていました。しかし、その有害性が社会問題となり、現在では新たな製造・輸入が禁止されている化合物です。
PCB廃棄物に関する規制
・PCBはかつて日本国内でも製造されていましたが、1972年に製造が禁止されました。
・PCB廃棄物を保管する事業者は、毎年度、PCB廃棄物の保管および処分の状況について、都道府県知事に届け出をすることが義務付けられています。
・PCB廃棄物の処分は法律により期限が定められています。2027年3月31日までに、PCB廃棄物を自ら処分するか、処分を他人に委託する必要があります。
・国際的には、残留性有害汚染物質に関するストックホルム条約(PoPs条約)で、2028年までにPCB廃棄物を適正に処分することが求められており、日本もこの条約を締結しています。
PCB廃棄物処理の現状
・PCB廃棄物は、PCBの含有量により、高濃度と低濃度に分類されています。PCB濃度が0.5%を超える高濃度PCB廃棄物は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)が運営する全国5か所の拠点的広域処理施設でのみ処理が可能です。
・PCB濃度が0.5%以下の低濃度PCB廃棄物については、現在全国で処理施設の認定が進められています。低濃度PCBを含むトランス等に含まれる絶縁油だけでなく、トランス本体やドラム缶など低濃度PCBを含む廃棄物の筐体を含めた焼却処理ができるのは、苫小牧ケミカルを含めて全国で24か所となっています(2017年3月時点)。
苫小牧ケミカルの完全無害化処理と、安全対策
ダイオキシンを発生させない、完全無害化処理
柱上トランス、ドラム缶等の低濃度PCB廃棄物を、(1)固定床炉でPCBを加熱分離。続いて(2)二次燃焼炉で絶縁油およびガス化したPCBを850℃以上で燃焼し分解します。燃焼される低濃度PCB廃油は、同時に二次燃焼炉の燃料としての役割も果たしており、エネルギーの有効利用による燃料コストの削減につながっています。排ガスは(3)急冷塔で一気に200℃以下まで冷却することにより、ダイオキシン類の再合成を抑制。さらに(4)バグフィルタでダイオキシン類等の有害物質を除去し、無害化された気体として煙突から放出されています。
固定床炉で無害化した柱上トランス等の筺体は、銅、鉄、アルミ等にリサイクルされます。銅はJX金属グループ内のパンパシフィック・カッパー株式会社佐賀関製錬所でリサイクルを行っています。
徹底した安全対策
低濃度PCB廃棄物処理施設の周囲への側溝の設置による外部への漏洩防止、廃棄物屋内貯蔵所の床への不浸透性の素材の使用による地下浸透の防止など、廃棄物の保管、処理にあたって万全の安全対策を施しています。
また、火災・地震・停電等が発生した時の対応もマニュアル化され、緊急事態への対応も万全を期しています。
処理が可能な低濃度PCB汚染電気機器などの種類
・絶縁油、熱媒体油、副生成油、潤滑油、洗浄油など
・トランス類 変圧器、リアクトル、変成器、変流器、電圧調整器、放電コイル、整流器、開閉器、遮断機、中性点抵抗器など
・コンデンサ類
・金属くず ドラム缶、ペール缶、一斗缶(低濃度PCB含有廃油を保管していた容器)など
・塗料付着金属くず(塗料の中に低濃度PCBが含まれるもの)
・無機汚泥(油がしみこんだコンクリートなど)(17年認定申請中)
受け入れ可能なサイズ
幅:2.5m 奥行:1.5m 高さ:2.3m
※北海道庁との事前協議等の手続きは必要ありません。
JX金属苫小牧ケミカルについて
低濃度PCB廃棄物の無害化処理で、環境大臣認定番号 平成27年第10号を取得しました。「安全」「確実」「適切」に有害な低濃度PCB廃棄物の完全無害化処理を実施し、低濃度PCB処理業者として北海道内唯一の認定業者です。
特異な処理実績としては安定器の解体金属屑を全国に先駆けての大量処理の実績があります。本来高濃度で処理するものですが環境省のガイドラインに沿って分別・解体し低濃度で処理することにより大幅なコスト負担低減に貢献しております。
また、橋梁等の低濃度PCB含有塗膜付着金属屑の処理実績も有しております。道内のみならず道外の案件を処理した実績もあります。
低濃度PCB廃棄物の全量処理に向けて全力で取り組んでおり、安全で安心して暮らしていける社会創りのために貢献しています。
展示会詳細
展示会名 |
2017NEW環境展(N-EXPO 2017) |
会 期 |
2017年5月24日(水)~26日(金) |
会 場 |
東京ビッグサイト |
展示会カテゴリー |
再資源化・廃棄物処理・解体エリア |
住 所 |
〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1 |
主催者 |
日報ビジネス 株式会社 |
URL |
http://www.nippo.co.jp/n-expo017/ |
備 考 |
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